世界的なファストファッションブランド「ユニクロ」と「ZARA」のビジネスモデルを徹底比較していきます。どちらも、安くておしゃれな服を大量に売る「ファストファッション」の代表格。でも実は、この2社、まったく逆の戦略で戦ってるんです。

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まずはザラ ZARA。ZARAのビジネスモデルは「超高速のトレンド対応」。ファッション業界では「デザインから販売まで半年かかる」のが普通なんですが、ZARAはなんと2〜3週間で新商品を店頭に並べてしまう。まるでファッション界の回転寿司。次々に新しい服を出すので、客も「今買わないと次はない!」と焦って買う。これがZARAの売り方なんです。
でも、その裏にはすごい仕組みがあります。ZARAは商品企画からデザイン、生産、物流までをほぼ内製化。特に本社のあるスペインでは、工場や物流センターが全部集約されていて、まるで“ファッションの司令塔”。さらに、毎日店舗から「何が売れて、何が売れてないか」の情報がリアルタイムで届く。その情報をもとに、また次の服をすぐ作る。このスピード感が、ZARAの強さなんですね。
一方のユニクロは、まったく逆。ユニクロの基本戦略は、「定番商品を、安く、たくさん、長く売る」。ZARAが「今しかない服」を出すのに対して、ユニクロは「いつでもある安心」を提供します。
例えば、ユニクロのヒートテックやウルトラライトダウン。毎年同じような商品ですが、少しずつ改良されて、品質がどんどん良くなってる。そして、その改善の裏には、巨大なサプライチェーンとグローバル生産体制がある。ユニクロは原材料の仕入れから生産、物流まで、ものすごく細かくコントロールしていて、「無駄を極限まで排除」しているんです。
つまり、ユニクロは「大量に作って、大量に売って、安くする」モデル。逆にZARAは「小ロットで売って、在庫を残さない」モデル。どっちも一長一短だけど、実は収益性には大きな差があるんです。
さて、ここでクイズ。ユニクロとZARA、どっちの営業利益率が高いと思いますか?
…正解は、ユニクロ。
意外でしょ?ZARAの方がトレンド性があって、売れそうな気がする。でも、実はユニクロの方が「利益が出る体質」なんです。
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、2023年度の営業利益率が約13%。ZARAを展開するインディテックスは約9%。この差は大きい。
なぜかというと、ZARAはスピードを追求するために、人件費も物流費もかかるし、小ロット生産でコストが上がる。しかも、毎回新しいデザインを作るからデザイナーや企画チームへの依存も高い。
一方ユニクロは、毎年同じ型の服を大量に作るからコストが下がるし、在庫も読める。さらにPB(プライベートブランド)なので、ブランド料もなし。売れ残っても「定番だから来年売れる」。だから、在庫ロスが少ない。
つまり、ZARAは「スピードで勝負」、ユニクロは「効率と安定で勝負」。この2社、見た目は似てるけど、裏側のエンジンは全然違う。
しかも、ここ最近はZARAのスピード感が逆風になりつつあります。なぜなら、環境問題。
大量に作って、大量に売る。トレンドを追いかけて、すぐ捨てられる服。こうしたファストファッションが環境破壊につながるとして、世界中で批判され始めている。ZARAもその対応に追われていて、サステナブル素材を使ったり、リサイクルプログラムを始めたりしてる。
一方ユニクロは、「服を長く使う」という思想に立っているので、比較的その批判を受けにくい。むしろ、最近では「服のリサイクル」や「修繕サービス」なども始めて、エシカルなイメージを確立しつつある。
つまり、これからの時代、ユニクロのような「定番×効率×エコ」のビジネスモデルの方が、より強くなる可能性もあるんです。
さて、ここまでをまとめます。
ZARAは「短命な流行」を高速で売り切るモデル。ユニクロは「長生きする定番」を安定的に売るモデル。
前者は売上の山を何度もつくるスタイル、後者は地盤が固く、着実に積み重ねるスタイル。どっちがいいかは時代や市場によるけど、利益率という観点で見れば、現時点ではユニクロの勝ち。
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