おかしのまちおかの「みのや」IPOへ:安さの秘密

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おかしのまちおかの安さの秘密とそれを支える独自のビジネスモデル

みのやは、「おかしのまちおか」を展開する菓子小売チェーンで、関東・中京・関西圏を中心にドミナント出店を軸に、地域密着型のリージョナルチェーンとして成長を続けており直営207店舗を構えています。「おかしのまちおか」が驚くほどの安さを実現できる背景には、その出自である「卸問屋」としてのDNAと、徹底した現場主義に基づく独自のビジネスモデルが存在します。単なる安売りではなく、顧客に「宝探し」のような楽しさを提供しながら、高い収益性を確保する仕組みが構築されています。本郷三丁目にもあるみのやですがいよいよ上場IPO承認されましたね!

なぜ、おかしのまちおかは安いのか?

その安さの秘密は、主に以下の4つの要素に集約されます。

1. 卸問屋としてのルーツを活かした「仕入れ力」

おかしのまちかを運営する株式会社みのやは、もともと菓子卸問屋として創業しました。この歴史が、安さの最大の源泉となっています。

  • メーカーとの直接取引: 通常、小売店は卸問屋を介して商品を仕入れますが、おかしのまちおかは70社以上の大手メーカーと直接取引を行っています。これにより、中間マージンを徹底的に排除し、仕入れ原価を大幅に低減しています。
  • 大量仕入れによるコスト削減: 全国の店舗網を活かして商品を一括で大量に仕入れることで、メーカーに対する価格交渉力を高め、輸送コストなどの物流費用も削減しています。
  • 「スポット仕入れ」による機動力: メーカーが抱える過剰在庫や賞味期限の近い商品を、現金で安く仕入れる「スポット仕入れ」を積極的に行っています。これにより、通常ではありえないような特価品を提供することが可能になります。

2. 徹底した「ローコスト運営」

店舗運営のあらゆる場面でコストを切り詰める工夫が凝らされています。

  • シンプルな店舗づくり: 商品の段ボール箱をそのまま陳列棚として活用する「箱まま陳列」は、おかしのまちおかの象徴的な光景です。これにより、高価な什器への投資を抑え、商品を迅速に店内に並べることができます。
  • 効率的な店舗立地: 駅前や商店街、ショッピングセンター内など、人通りの多いエリアにありながらも、比較的小規模な店舗で展開することで、家賃などの固定費を抑制しています。
  • 常温商品の中心化: 冷蔵・冷凍設備が必要な商品を極力絞ることで、設備投資や電気代などの運営コストを低く抑えています。

3. 「現場主義(個店主義)」が生む柔軟な価格設定

おかしのまちおかでは、各店舗の店長に大幅な裁量権が与えられています。

  • 店長主導の仕入れと価格決定: 各店舗の店長は、地域客層、天候、近隣のイベントなどを考慮し、自らの判断で商品の仕入れや価格設定、特売品の決定を行います。これにより、画一的な品揃えではなく、地域に密着した魅力的な売り場を実現しています。売れ残りのリスクを自店で負う覚悟があるからこそ、大胆な価格設定も可能になります。

4. 効率的な物流システム

自社で物流センターを運営することで、店舗への商品供給を効率化し、物流コストの削減と迅速な商品補充を実現しています。

おかしのまちおかのビジネスモデル

これらの安さを実現する仕組みは、おかしのまちおかの巧みなビジネスモデルに支えられています。

ビジネスモデルの柱具体的な戦略と効果
1. 卸・小売の垂直統合モデル菓子問屋「みのや」としての機能を活かし、仕入れから販売までを一気通貫で行う。これにより、中間コストの削減と、メーカーからの直接的な情報収集を可能にし、市場の変化に迅速に対応できる。
2. 現場への大幅な権限移譲(個店主義)本部が画一的に管理するチェーンストアとは一線を画し、店長に仕入れ、陳列、価格設定の権限を大幅に委譲。これにより、各店舗が地域の特性に合わせた「個店」として機能し、顧客ニーズへの即応性と従業員のモチベーション向上を実現。「今日の天気は暑いから、店頭はサイダーを並べよう」といった機動的な判断が日々行われている。
3. ドミナント戦略とキャノピー戦略ドミナント戦略: 特定の地域に集中的に出店し、地域内での認知度とブランド力を高め、物流や広告の効率を向上させる。
キャノピー戦略: スーパーマーケットなど、顧客層は重なるが直接競合しない業態の店舗の近くに出店することで、相乗効果による集客を狙う。
4. 「宝探し」を演出する商品構成と店舗体験定番の人気商品に加え、スポットで仕入れた特価品、あまり見かけない珍しいお菓子、駄菓子などを約1,000種類揃えることで、顧客に「何か面白いものがあるかもしれない」という期待感を抱かせ、来店頻度と衝動買いを促進する。ジャングルのように商品が並ぶ店内は、選ぶ楽しさを演出し、顧客体験の価値を高めている。

このように、おかしのまちおかは、卸問屋としての「仕入れ力」を基盤に、徹底したローコスト運営と、現場の裁量を最大化する「個店主義」を組み合わせることで、「安さ」と「楽しさ」を両立させています。この独自のビジネスモデルこそが、他のスーパーやコンビニ、ディスカウントストアとは一線を画す競争優位性を生み出しているのです。

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