動画配信業界の“2大巨頭” NetflixとYouTube Premium どっちが儲かってるの?
どちらも月額課金で映画や動画が見放題。
「有料会員の数が多いのはどっち?」
「利益率が高いのは?」
「ビジネスモデルの構造はどう違うのか?」
今回はこの2社を“儲け方の構造”から徹底比較していきます。
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PR 経営学見るだけノート
結論から言うと…
収益構造として強いのは、意外にもYouTube Premiumです。

「え!?Netflixの方が高そうだし、制作にもお金かかってるし、儲かってそうだけど?」
そう思ったあなた、今日で考え方がガラッと変わるかもしれません。
では、順番に見ていきましょう。
まずはNetflix。
Netflixの魅力は、なんといっても「独自コンテンツ」ですね。
『ストレンジャー・シングス』『イカゲーム』『愛の不時着』など、
世界中でバズる作品をどんどん生み出してきました。
でもこのモデル、莫大な制作費と投資がかかっています。
例えば、『イカゲーム』の制作費は約20億円。
アメリカの超大型作品だと、1シリーズで100億円超えもザラです。
つまり、Netflixは毎年数千億円規模でコンテンツを作り続けないといけない。
止まったら終わりなんです。
これを「赤字覚悟の成長戦略」とも言います。
実際、Netflixは長年、フリーキャッシュフローがマイナスでした。
つまり、「お金は入ってくるけど、作るのにそれ以上使ってる」状態。
じゃあ、最近はどうなの?
2023年の決算ではようやく黒字転換しましたが、
それでも利益率はわずか10%ちょっと。
そして、全世界の有料会員数は約2億6,000万人。
1人あたりの平均課金額は月10ドル前後。
ざっくり言うと、年間で3兆円近い売上がありますが、
そのうち数千億円が制作費に消えていく。
だから、儲かってはいるけど、利益率はかなり低めなんです。
次に、YouTube Premiumを見てみましょう。
YouTube Premiumは、広告なしで動画が見られて、バックグラウンド再生もできる。
さらにYouTube Musicも使える――月額は1,180円(日本)。
世界では、Premium会員は約1億人。
Netflixより少ないですが…ここが重要。
YouTubeは基本、コンテンツを作っていない。
ユーザーが勝手にアップロードしてくれる。
つまり、Netflixと違って、コンテンツ制作コストがほぼゼロなんです。
さらに広告も強い。
有料会員だけでなく、無料ユーザーにも広告を流して収益化。
この広告モデルがとんでもなく強くて、YouTube全体の広告収益は年間4〜5兆円規模。
そこにPremiumのサブスク売上が加わるわけです。
つまり、YouTubeは、
無料で集客
広告で稼ぐ
プレミアムでさらに上乗せ
という“ハイブリッドモデル”を構築してる。
これがめちゃくちゃ効率的なんです。
YouTubeが所属する親会社Google(Alphabet)は、2023年のYouTube単体売上で約5.6兆円。
そのうち、コンテンツ制作費はほとんどなく、
クリエイターへの分配は再生回数ベースで自動支払い。
つまり、スケーラブル(拡張性が高く)、高利益体質なんです。
さて、ここまでの話を整理してみましょう。
【Netflixのビジネスモデル】
オリジナルコンテンツ中心=制作費が超高い
継続的な投資が必要=資本依存型の成長
会員が増えても制作費も増える=利益率が上がりにくい
成功すればヒット作でブランド強化できるが、一発勝負の側面も大きい
【YouTube Premiumのビジネスモデル】
コンテンツはユーザー生成=制作費ゼロに近い
広告×サブスクのハイブリッドモデル
利益率が極めて高く、固定費が少ない
スケーラブルで安定性も高い
じゃあ、なぜNetflixはそんなに制作にお金をかけるのか?
理由はシンプル。
“独占”ができるからです。
例えば、YouTubeにある動画は基本すべて公開されていて、他社でも類似コンテンツが作れます。
でもNetflixの『イカゲーム』は、Netflixでしか見られない。
この「独占コンテンツ」こそが、
Netflixの唯一無二の強み。
ただし、それはコストの重い強みです。
しかも最近は、ディズニーやApple TV+、Amazon Prime Videoなど、
同じような独自コンテンツ戦略をとるライバルが増えています。
つまり、Netflixは「制作コスト競争の渦中」にいる。
対してYouTubeは、「クリエイターという兵士が勝手に戦ってくれる構造」。
プラットフォーム側は、あくまでルールと分配モデルを作るだけ。
これが、“ビジネスモデルの設計”の差なんです。
利益率・リスク分散・スケーラビリティという観点から見れば、
今のところはYouTube Premiumに軍配が上がるんです。
ちなみに、Googleの全体営業利益率は30%以上。
Netflixの約2〜3倍です。
というわけで、今回は「Netflix vs YouTube Premium|どっちが儲かってる?」を深掘りしました。
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