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エスノグラフィethnographyとはギリシア語のethnos(民族)とgraphein(記述)を融合させた英語で、民族誌とか民族誌学と訳されます。もともとは文化人類学や社会学、心理学で使われる研究手法の1つで研究対象となる部族や民族の文化における特徴や日常的な行動様式を詳細に記述する方法のことです。マーケティングにおけるエスノグラフィーとは、実際に消費者の行動を観察することで消費者自身も気づいていない行動パターンや行動の背景にある深層心理を把握する定性分析手法のことです 花王や日立でも導入されている手法として有名ですね 英語での書き方はethnography 。


フィリップ・コトラーは「「マーケティングで必要なデータは、Behavior(行動)とAttitude(態度)があり、前者はビッグデータなどの定量データで理解できるが、後者はデータからは分からない。消費者の思い(mind)を知るにはデプスインタビューなどが有効だ」といった旨を述べています。 エスノグラフィは後者を調査する手法といえ、定量分析とあわせて行うことが大切です。

生活者を調査する方法には質的調査(定性調査)と量的調査(定量調査)があります。質的調査とは言葉(人々はこれこれのことを言っています、等)の調査であるのに対して、量的調査とは、得られたデータを数字(100人のうち30人が利用しています、等)として扱うものでそれぞれメリットデメリットがあります。量的調査はわかりやすいとか説得力があるというメリットがありますが、調査対象の生の声はわからないというデメリットがあります。質的調査は逆になるわけです。エスノグラフィーは質的調査です。

具体的な調査方法としては4つの方法があります。

エスノグラフィーの4つの方法

1 訪問調査

調査対象者の自宅に訪問して実際に、普段の生活での商品やサービスの利用方法を観察し、インタビュー等を行います。米国ではよくおこなわれる手法ですが日本ではなかなか自宅に他人を入れる文化がないので難しい手法といえます。

2 訪問ビデオ調査

調査対象者の自宅に訪問し、インタビュアーがビデオ撮影をしながら、インタビューを行う方法です。

3 ビデオエスノグラフィー

調査対象者の家族にビデオ撮影を依頼する方法です。

4 デプスインタビュー

調査会社などで実際に商品の使用シーンなどを再現してもらうことで観察およびインタビューを行う手法。

エスノグラフィは他の定性分析(インタビュー・グループディスカッション・アンケート)方法と比較してメリットがあるのは他の方法が調査対象者の過去の記憶や言語化できる内容、表面的なニーズしか把握できないのに対して、実際に使用しているその瞬間の気持ちやニーズを生で聞くことで潜在的な心理を把握できる点にあります。

たとえば日立は、UX開発プロセスにおいて商品企画の前に、エスノグラフィー調査を行っています。 そしてユーザーからのフィードバックを得ながら、開発しています。

また花王の生活者研究センターでもエスノグラフィーを用いて消費者の理解を深めアンチエイジング(抗加齢)に関する消費者の考え方や行動理由を理解するために活用しています。

なお、フィールドワークとエスノグラフィーの違いは、フィールドワークが野外で行う調査方法の総称なのに対して、エスノグラフィーは参与観察(フィールドワークのひとつです)だけでなくインタビューや文献調査も行う点でしょう。

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